リフォームで災害に強い外壁を作るために知っておきたい6つのこと
近年、自然災害が猛威を振るう中で、壊れてから直すのではなく、予防的に壊れづらい屋根や外壁にしておくことの重要性が高まっています。
リフォームのタイミングで災害に強い屋根や外壁にすることで、台風、地震、雪などの自然災害に対して住宅の安全性を高めることができ、災害の被害予防につながります。
外壁は建物の防御ラインとして外部の影響を受ける部分であるため、耐震性、耐風性、耐水性、耐火性、耐雪性などを考慮したリフォームが求められます。
前回の屋根編に続き、今回はリフォームで災害に強い外壁を作るために知っておいて欲しい6つのことをご紹介します。
(→屋根編はこちら)
1.耐震性を高める外壁リフォーム
地震の揺れに耐えられるように外壁を強化することは、地震大国日本においてはどの地域においても大切なことですが、特に関東大震災や南海トラフなどの大地震の被害想定域においては必須です。
耐震パネルの使用
耐震性の高い外壁材を選ぶことで、揺れを抑えることができます。
特に、鉄筋コンクリートパネルや耐震用の外壁パネルは強度が高く、地震時に安定性を提供します。
外壁の補強
木造住宅の場合、外壁に補強材を追加して強度を高めることができます。
例えば、耐震金具やボルトで外壁と骨組みをしっかりと固定する方法です。
軽量の外壁材
重い外壁材(例えば、石やレンガなど)は地震の揺れで倒壊しやすくなります。
軽量で強度のある外壁材(例:金属サイディング、軽量コンクリート、繊維強化コンクリートなど)を選ぶと、揺れに対する耐性が向上します。
2.耐風性を高める外壁リフォーム
台風や強風に耐えるための外壁リフォームは、建物を守るために不可欠です。
耐風タイルや金属外壁材
台風や強風に耐えるためには、風圧に強い外壁材を選ぶことが重要です。
金属サイディング(ガルバリウム鋼板など)は耐風性が高く、風で飛ばされにくい特性を持っています。また、タイルやレンガの外壁も強風に対する耐性が高いです。
外壁材の接合部の強化
外壁材が風に飛ばされないように、接合部分を強化します。
しっかりとした固定を行い、外壁材がしっかりと家に結びつけられるようにすることが重要です。
風圧に強い外壁デザイン
外壁が風を受ける面積を最小限にするようなデザインに変更することも一つの方法です。
例えば、凹凸の少ない平坦な外壁にリフォームすることで、風による負荷を減らすことができます。
3.耐水性を高める外壁リフォーム
台風や豪雨などで外壁に水が浸入しないように、耐水性を高めることは非常に重要です。
防水塗料の使用
外壁に防水塗料を塗布することで、水の侵入を防ぎます。
特に、外壁材に浸透しやすい塗料(例えばシリコン塗料やフッ素系塗料)を使用することが効果的です。
防水性の高い外壁材の選定
外壁材として、コンクリートパネルや金属製のサイディング、レンガやタイルは防水性が高い材料です。また、これらは水が染み込みにくく、長期間にわたって水害に強い性能を保ちます。
屋根との連携強化
外壁と屋根の接合部に隙間がないようにし、雨水が侵入しにくいように工夫します。
また、屋根に水が溜まらないように排水システムを見直すことも大切です。
4.耐火性を高める外壁リフォーム
地震に伴う火災などから家を守るために、外壁の耐火性を強化することが重要です。
耐火性の高い外壁材を選ぶ
耐火性に優れた外壁材(例:セラミック外壁、ガラス繊維強化コンクリート、金属製外壁など)を使用することで、火災が発生した際に外壁が早期に燃え広がるのを防ぐことができます。
防火塗料の塗布
木材や可燃性のある外壁には、防火塗料を塗布することで火の回りを遅らせることができます。これにより、火災時の延焼を防ぐことができます。
外壁の隙間をなくす
窓やドア周りの隙間から火の粉が入り込まないように、しっかりと密閉することが大切です。
また、外壁と屋根との接合部を密閉することで、火災の延焼リスクを低減します。
5.耐雪性を高める外壁リフォーム
雪による重みに耐える外壁にするためには、雪の影響を考慮したリフォームが必要です。
雪の重みを支える外壁材
外壁に雪が積もる可能性のある地域では、軽量で耐雪性の高い外壁材を選びます。
金属サイディングやレンガ、石材などは雪の重みに耐えることができます。
外壁の断熱性、防水性を高める
雪が積もる地域では、外壁に断熱材を入れることで、外壁の表面温度を安定させ、氷点下の気温でも凍結や雪の積もり方を調整します。これにより、外壁が過剰に冷えることを防ぎます。
また、防水性を高めることで外壁材内部に水分が浸透するのを防ぎ、凍害(雪害)による外壁の破損や割れを防ぎます。
屋根と外壁のデザイン見直し
屋根の勾配を急にし、雪が積もりにくく滑りやすい構造にすることで、屋根から外壁に雪が積もるのを防ぐことができます。また、地域によっては雪止め金具を設置して、雪の落下を抑制することも有効です。
6.外壁のメンテナンス
災害に強い外壁にリフォームすることができても、定期的なメンテナンスが欠かせません。
以下の点を定期的にチェックすることが重要です。
定期的な点検と修理
外壁のひび割れや汚れ、水漏れの兆候を定期的に確認し、早期に修理を行うことが大切です。外壁が劣化していると、災害時に本来の強度を発揮できません。
防水・防火塗料の再塗布
塗装が劣化すると、防水や耐火性能が低下するため、定期的に塗り直しを行うことが重要です。
屋外の清掃
外壁に付着したゴミや汚れを取り除くことで、外壁材が長持ちし、災害時にもその性能を保つことができます。
いかがでしたでしょうか。災害に強い外壁にリフォームすることは、建物の安全性を高めるために非常に重要です。
地震、風、水、火、雪に対応できる外壁材を選び、適切な施工とメンテナンスを行うことで、災害時にも家を守ることができます。
リフォームの際は、専門業者と相談して、ご自宅に最適な外壁リフォームを行うことをお勧めします。