FEATURES各屋根材の特徴

2022年度版 屋根のプロが各屋根材を解説

屋根のプロが解説する各屋根材の特徴(メリット・デメリット)とオススメの屋根材を紹介します。

屋根材の種類

屋根材は大きく分けると4つに分類されます。

(1)瓦

一般的には粘土を成形して焼成した粘土瓦を「瓦」と呼ぶことが多いですが、大きくはこの粘土瓦にセメント瓦を含めたものを「瓦」と呼んでいます。
瓦には、粘土瓦とセメント瓦だけでなく、ガラス瓦・金属瓦など特殊なものもあり、また、和瓦・洋瓦、平瓦・丸瓦・桟瓦など、原料による分類だけでなく、スタイルや用途などにより さまざまな種類があります。

(2)金属

金属を加工して作られたもので、近年、金属屋根で一番有名なのが「ガルバリウム鋼板」です。その他、トタン、銅、ステンレス、チタンなどがあります。

(3)スレート(コロニアル)

スレートとは、セメントに繊維を混ぜて成形した薄い板状の屋根材のことです。スレートのうち、ケイミュー株式会社が販売している商品の名前が「コロニアル」です。コロニアルはシェアが高く、スレートのことをコロニアルと呼ぶことが多いです。

(4)シングル

アスファルト製の屋根材で、「アスファルトシングル」とも呼ばれます。ガラス繊維などの無機系の基材にアスファルトを浸透させ、表面に石粒を吹き付け接着してある屋根材です。

それぞれの屋根材の特徴(メリット・デメリット)

(1)価格の比較

価格の比較

一般的には、価格の高い順から 瓦 → 金属 → スレート(コロニアル)→ シングル となっています。
※それぞれの屋根材を代表する製品での比較となります。(製品によって瓦よりも金額の高い金属屋根などもあります。)

(2)各屋根材のメリット・デメリット

メリット デメリット
瓦自体の耐久性も高く、空気層が取れるので下地も長持ちする。瓦本体と空気層で断熱効果も得られる。 重さがあるので耐震性に注意が必要。価格が高い。
金属
(エコグラーニ)
世界中で認められた高性能屋根材。メーカー30年保証と、長期保証。
製品自体の耐久性が高く、空気層も出来るので下地も長持ちし、断熱効果も得られる。屋根材の中では軽量。
高性能だが一般金属屋根よりも安価。雪止め金具を施工しなくても雪が落ちにくい(取り付けは可能)
施工後しばらくの間、表面に多めに塗布してある細かい石材の一部が落ちてくることがある。
色のバリエーションが少ない(4色)
雪国では雪下ろしがしづらい。
スレート
(コロニアル)
比較的安価。屋根材の中では比較的軽量。 素材が外部環境の影響を受けやすく、ひび割れや色褪せの恐れがある。
空気層が取れないため下地が傷みやすく、耐久性・断熱性もない。
そのため、メーカー保証期間が短い。(10年)劣化に応じて行う塗装等のメンテナンスが重要だが、タスペーサーなどで縁切りをしないと雨漏りのリスクが逆に高まる。グレードにより性能差がある。
シングル 価格が安い。洋風デザインに合う。屋根材の中では軽量。 空気層がなく断熱性・耐久性が低い。
表面の細かい砂が落ちる。
メーカー保証が短い(10年)

(3)総評(オススメの屋根材)

価格重視や意匠重視など、お客さまのニーズにより最適な屋根材は変わりますが、耐久性・耐震安全性などの性能が高く、価格も抑えられているという点で、金属屋根の「エコグラーニ」を当社としてはオススメします。(2022年現在)


エコグラーニは、どんな建物にも合う直線的でシンプルなデザイン、金属屋根でありながら表面を自然石粒でコーティングしているので光沢がない落ち着いた見た目の素材です。
スレートやシングルと比較すると初期費用は高いですが、その先のメンテナンス費用までを含めたトータルコストではむしろお安くなります。


ベースが金属なので、ひび割れなどの心配もなく、耐蝕性・耐熱性・熱反射性・加工容易性を併せ持っているガルバリウム鋼板よりも耐久性を持たせた「ジンカリウム鋼板」という素材で作られているので、強い屋根をつくることができ、長く快適に過ごせる家にすることが出来ます。

※最適な屋根材や工法は、屋根の状況(下地の傷み具合や屋根材の材質など)によって変わります。ここでオススメしたものが全ての屋根に当てはまる訳ではございません。あくまで一つの参考としてお考えいただければ幸いです。