屋根について

トタンとガルバリウム鋼板の違いについて

金属製の屋根材には、トタン、ガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板、銅、ステンレス、チタンと、大きく括れば6種類あります。

そのうち主に一般住宅で使われるのはトタン、ガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板の3つです。

現在、その3つの中で一番使われる金属屋根材はガルバリウム鋼板です。
高度成長期によく使われていたトタンは、より耐久性が高く、その割にはコストを抑えた屋根材が増えてきたこともあり、利用が減ってきています。
ジンカリウム鋼板は日本においては扱える業者も限られており、実績豊富で施工可能な業者を探すのに骨が折れます。

今回は金属屋根材の中でも主に一般住宅に使われ、見た目が似ている「トタン」と「ガルバリウム鋼板」にスポットを当て、それぞれの違いを説明しようと思います。

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トタンとは?

トタンとは、薄い鉄板を亜鉛の薄膜で被覆したもののうち、主に建築資材として使われているものを言います。

ガルバリウム鋼板とは?

ガルバリウム鋼板とは、薄い鉄板をアルミニウム・亜鉛・シリコンからなるアルミ亜鉛という合金の薄膜で被覆した、屋根や外壁などに使われる建築資材です。トタンよりも耐久性と防錆性が向上しています。

防錆性の違い

ガルバリウム鋼板は、傷ついて素地の鉄が露出したとしても、キズ周辺の亜鉛が鉄より先に溶け出して保護する「犠牲防食作用」のある亜鉛と、耐久性の高いアルミニウムの合金被膜により、優れた防錆性を持っています。一方、トタンは亜鉛のみで被覆しているため、ガルバリウム鋼板と比べると錆びやすく、定期的な塗装やメンテナンスが必要です。

耐久性の違い

ガルバリウム鋼板は、亜鉛とアルミの合金被膜により防錆性・耐候性が向上し、酸性雨による影響や腐食から保護されます。また、ガルバリウム鋼板は強度が高く、長期間使用することができます。多少錆びてもすぐに穴があくことはありません。錆を放置するのは良くないので、錆が見つかったらすぐにメンテナンスした方が良いですが、穴があくまでに時間があるので、深刻な状況になる前にメンテナンスが出来る可能性が高いです。
一方トタンは、ガルバリウム鋼板と比べると錆びやすく、錆びてしまうと穴があきやすいです。これを防止するためには定期的なメンテナンスや塗装が必要です。

外観の違い

ガルバリウム鋼板とトタンは、ぱっと見の見た目の違いが分からないものもありますが、ガルバリウム鋼板は多様な色やデザインのバリエーションがあり、外観の美しさが求められる場合に適しています。一方、トタンはそれほど色やデザインのバリエーションが無く、通常、シンプルな配色、デザインとなっています。

価格の違い

一般的に、ガルバリウム鋼板はトタンよりも高価です。これは、ガルバリウム鋼板にはより強力な防錆被膜が施されているため、製造工程や材料のコストがかかるからです。ただ、耐久性を加味してメンテナンスコストなども含めていくと、長い目で見ればさほど価格差はないか、かえって割安になる場合もあるかと思います。

いかがでしたでしょうか。
これらは一般的な違いですが、実際の使用方法や使用環境など、状況によって異なる場合もあります。建築プロジェクトの要件や予算、耐久性のニーズに基づいて、トタンやガルバリウム鋼板の選択を検討することが重要です。