屋根について

瓦屋根のメリット、デメリット

      Photo by つるたま

ひとえに屋根と言っても材質によりさまざまなものがあります。

茅葺き、トタン、粘土瓦、コンクリート瓦、スレート、アスファルトシングル、ガルバリウム鋼板、ジンカリウム、ステンレス、銅など、聞いたことがある名前も無い名前もあるかと思いますが、材の種類だけでもこのようにそれなりにあります。

それぞれに見た目や重量、耐用年数、価格など違いがあり、お客さまごとのご要望や状況に合わせて上手に選択することが大切です。

そこで今回はさまざまある屋根材の中から「瓦」について解説していきます。

瓦の種類

一般的に瓦と呼ばれるものには、粘土を焼いて作った陶器瓦・無釉瓦・素焼き瓦と、セメントと砂で作られたセメント瓦があります。
陶器瓦は釉薬をかけ焼き上げた非常に耐久性が高い瓦で、一般住宅で和瓦と呼ばれるものは、この陶器瓦が多いかと思います。
無釉瓦は寺社仏閣、お城などに使われることが多く、釉薬を使わず焼き、その後蒸し焼きにすることで瓦全体を銀色に仕上げる瓦です。

瓦のメリット・デメリット

厳密に言えばそれぞれの瓦でメリット・デメリットは異なりますので、ここでは一般的によく使われる陶器瓦についてのメリット・デメリットをまとめます。

メリット

(1)伝統美に宿る美観と風情

瓦は日本の伝統的な屋根材であり、瓦で葺いた屋根は美しい外観と風格を建物に提供します。また、瓦の種類や色合いを選ぶことで、建物に独特の個性や風情を与えることができます。

(2)高い耐久性がある長寿命屋根材

瓦は紫外線や水にも強く、耐久性に優れており、長期間にわたってその性能を維持することが出来ます。適切な保守と定期的な点検が行われれば、瓦屋根は耐用年数を超え、数十年以上も持続することがあります。

(3)防水性と通気性

瓦は雨漏りを防ぐ優れた防水性能を持ちながら、屋根内の通気を確保する役割も果たします。適切に施工された瓦屋根は、雨水をしっかりと排水して建物内への侵入を防ぎ、同時に通気による湿度や温度の調整を行うので、建物内部をしっかり保護することが出来ます。

デメリット

(1)重量がもたらす建物構造への影響

瓦はスレートやガルバリウム鋼板などと比較すると重い材料であり、建物の構造に負荷をかけることがあります。安心して住まうためには建物の構造や基礎が瓦の重みに耐えられるように設計されている必要があり、屋根面積が広い場合や、建物形状が複雑な場合は特に注意が必要です。

(2)きちんとした施工には専門知識が必要

瓦屋根の施工には専門的な知識と技術が必要です。正確な瓦の配置や施工方法を守り、丁寧な仕事を行う、技術力の高い業者に依頼する必要があります。

(3)コスト・手間

瓦屋根は他の屋根材に比べてコストが高い傾向があります。瓦自体の費用や施工に関わる労働コストがかかるため、初期費用が増えることがあります。また、瓦のメンテナンスや修理も手間がかかる場合があります。

いかがでしたでしょうか。
瓦屋根は美しい外観と耐久性が特徴で魅力的ですが、重量や施工の専門知識を持った業者選び、コストなども考慮する必要があります。建物の特性やデザインの要素、予算などを総合的に検討し、瓦屋根がいいのか、それ以外の屋根がいいのか、最適な屋根材料を選ぶことが重要です。